忘れな草

愛って？

忘れな草
　　ーA certain kind of loveー

「あたっ！」
本気で叩く事無いよお姉ちゃん！と、菜乃葉が言う。
確かに本気でやりすぎた、かも。
いや、だってさぁ、ほら。

「強くなりたい」って言ったの、なの君でしょ？

笑顔が黒いよお姉ちゃん・・ふみゅ〜！と菜乃葉が言う。
「気にしたらダメだよ、それとほらまだまだ全然だめだよなの君」

＊＊＊
このとき僕はお姉ちゃんが悪魔に見えた。
普段から、「強い男になりなさい」って言われてるけど
こんなのって・・うぅ・・

僕、ぐれちゃうよこんな調子だと・・
いつもは優しいのに！
「ふぇ・・」

泣き出す五秒前。
それぐらいは許して欲しい。
本当に痛いんだから。

＊＊＊

「・・今日はこれで終わりにしようね」
泣き出す寸前の菜乃葉を横目で見て、私は言う。
ああ、やりすぎちゃったかなぁ。
いつもの事だけどついついそうしちゃう癖があるんだ、私。
いつか「大嫌い」とか言われたら嫌だなあとかそんな風に考えてしまう。
まあ、でもいつかそんな日が来るんじゃないかなあ。なんて

＊＊

「・・その時僕5〜6歳じゃなかった？」

「え？・・・・まあ、そういえば」
テーブルの上の牛乳を片付けようと手を伸ばした少年
ー回想の時よりも、少し大きくなった「菜乃葉」が言う。

実際はまだ小さいのだが、あの頃よりは大分大きくなったと言える。

そんな姿を横目で見ながらソファーに浅く腰掛けて紅茶を飲む
「お姉ちゃん」こと「怜奈」は、
菜乃葉に対してごまかすように笑った。

「まあ、そこら辺は気にしちゃ負けだよ。」

やっと牛乳が取れたらしく、ふうと一息ついた菜乃葉は、「いや、気にするよ。」と言う。
「でもさ、約束でしょ？」
ふふ、と余裕の表情で怜奈が笑う。

何の事だろう、と小首をかしげた菜乃葉だったが、やがて思い出したように言う。
「・・アレは約束って呼べるの？」
「少なくとも、私にはね？」

落ち着いた大人っぽい表情で、怜奈が楽しそうに言う。
わっかんないなあ・・と言いつつ、菜乃葉は牛乳を持ってドアに向かって歩いた。

ドアを開けて、部屋から出て行こうとする菜乃葉に向かって、
怜奈は菜乃葉に背中を向けたまま人差し指を上に指してこう言う。
「ある種の愛だよ、なの君v」

その言葉の意味が気になって、菜乃葉は思わず怜奈の方に顔を向ける。
「愛？」
言葉の意味がわからないと言うように菜乃葉は首を傾げた。
「うん、愛だよ。なの君。それに・・」
小走りで菜乃葉に近づいて、後ろから抱きしめてからこう言った。

「愛は見返りを求めない物だけどね、
なの君からの愛は大歓迎だよ？v」





【あとがき】
怜奈さんが変態くさくなってしまった・・orz
姉弟ものとか、姉妹ものを書くと必ずどちらかが変態になってしまいます。
ダメダメです。
当初はほのぼのだけにしようかと思ったんですが、
長くなりすぎそうなのでギャグ混ぜてみました。（今度は短すぎですが・・orz
というか、ほのぼの入ってないですよね・・

■小瓶■様宅○菜乃葉○君、みゅうちゃん様宅パンちゃさん、
ご出演ありがとうございました。
お疲れ様会までもう少しお付き合い下さいませ。